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草島進一の「持続可能な鶴岡」日記

kusajima.exblog.jp

2010年 07月 14日 ( 1 )

アレックスカー 犬と鬼 =原点をみつめて

以前、といっても3年前ぐらいにこのブログでも紹介したアレックスカー氏。犬と鬼「Dogs &Demon」の著者。
今日、東北芸術工科大学で講演があり、参加。おそらく山形でははじめての講演会ではなかったかと思う。
美しかった日本がどんどん崩れていく。 西洋諸国、 公共事業  他の先進国ではやらなかったことまで、日本はやってしまっている。他の先進国とは別の進み方をしている。
日本の国家予算の約半分は建設予算にまわされている。ヨーロッパでは8%、アメリカでは6%でほぼ、10倍。1平米に敷き詰めるコンクリートは、米国の30倍。

ということで、スライドが次々と映された。川という川につくられているダム、砂防ダム。護岸工事。海にいけばテトラポット、妙なかたちの堤防。防波堤。そしてそれまでの文化を全く無視したかのようにつくられる箱物、モニュメント、せっかくの風景に妙な看板。土建国家、日本の肖像。アレックス氏の話を聞いていると、「病気」の度合いはとても深刻なのだと改めて気づかされる。

実際に「犬と鬼」から
ーーー日本が土木建築に費やす金額は、アメリカが軍事につぎ込む金額よりはるかに大きい。ーーー巨額の補助金が建設に流れ、驚くことに、国の歳出予算のなんと40%が公共事業にあてられている(アメリカでは8から10%、イギリスやフランスでは4〜6%)ーーーー日本で公共事業が急激にふくれあがったのは、関係者にとってうま味が大きいからだ。談合や付け届けは当たりまえで、それを通じて何百億円もの金が政党へ流れ込む。政治家にはかなりの口利き料が渡る。ーーーー省と省との微妙なバランスを保つために、予算は使わねばならず、計画は拡大しなければならない。こういう背景があるから、国土を再現なくコンクリートで塗りつぶすという奇っ怪な状況が生じ、他の国ではとうてい見られない極端な状況、しいて言えば恐ろしい漫画の世界へ入り込んでしまう。ーーー

日本の学校は、ダムはすべて輝かしく、道路はすべて幸福な未来への飛躍であるという考え方を教え込んでいる。要するに、教育システムが日本を永遠に「発展途上国」モードに封じ込み得ているわけだ。メーン州(アメリカ)のエドワーズダム(100年以上も川をせき止めていた)の撤去が命じられた時、教会は金を鳴らし、川が自由をとりもどしたのを見て、何千もの人々が喝采した。日本ではそんな反応は考えられない。むしろ、地方自治体は、旗を振り、太鼓をたたいて、最新の土木建築のモニュメントを宣伝し続けている。ーーー


犬は難く、鬼は易し。私たちのすぐ身近にある、犬のおうなおとなしく控えめな存在は、正確にとらえることが難しい。しかし、派手で大げさな創造物である鬼は、誰にだって描けるものだ。 ということ。


アレックス氏は、今、日本の観光業の観光客数の状況が世界で34番目と低迷していることを伝え、
水、森、農村の風景。本来の日本の風景、「観光」という経済の重要性、「観光立国」のありようを説いた。
最後には、今京都で展開している古民家を再生して宿泊に活用する「IORI」のプロジェクトなどを紹介し
「明珠在掌」「自分のもっている宝に気づいていない。そこにあるかって。その手の中に、自分の掌を見よう」
The bright jewel is inn the palm of your hand
と説いた。

講演を通じて、僕が政治に関わる原点を改めて感じ入ることができたように思える。

美しさを失わせているものは何か。人を不幸に至らしめているしくみは何か。

政権交代後の日本で、覚悟をもって、やるべきは、ここにあり。また、我が道もここにあり。

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by stern888 | 2010-07-14 07:38