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草島進一の「持続可能な鶴岡」日記

kusajima.exblog.jp

鶴岡市議会 最後の決算討論。

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20年度決算の討論をおこない、10年間の市議会議員を終えました。
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指摘した点は、
1.説明責任、情報公開、そしてきわめて特殊な投資事業だというのに、責任をとらない、無責任な市政。
2.地域の人材を活かしていない市政
3.地域の資源を活かしていない市政。

この3点について、象徴的な事例をあげて、指摘をしました。
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平成20年度一般会計、特別会計決算について反対の立場で討論いたします。

政権交代。鳩山内閣誕生。新しい時代がはじまりました。これまでの権力の陰で議論のテーブルになかなかのらなかった、市民が抱える問題の真実がようやくテーブルの上にのり、希望ある未来にむけた議論や政策がようやくできる時代がきたのだと私は感じております。

官僚政治から国民の政治。そして、地域主権、という基盤の上で、鶴岡では何をすべきか。改めて考えていかねばならない時にきていると感じております。

さて、平成20年度の象徴的な社会現象は、年越し派遣村ではなかったか。と思います。まるで被災地のように、年越しをテントでおこなわなければならない失業者が数多くいること。いかに社会にひずみが生じセーフティネットが崩壊している、ということを知らしめたでもあります。
100年に1度といわれる金融危機。の影響を受けて、この地域でも500名以上もの派遣切り労働者がいらっしゃる。という状況が今も続いております。

こうした中、平成20年度 今般、一般会計600億円余の歳出、又特別会計による行政サービスが、市民の付託に答えることができたのか。と言う審査でありますが、評価すべき点が皆無とはもうしませんが、数々の問題があり、認定することができません。その問題の主要なものをのみ具体的に示し討論したいと存じます。

今、鶴岡市の財政は、1629億円(平成20年 現在)の借金をかかえ、財政力指数は0.45。酒田市や会津若松市など、類似自治体39の中で38番目といった財政力であります。そして合併後、ほぼ全施策が-5%の予算削減が強いられている状況であることは事実であります。

 その中で、慶応大学先端研へ20年度も3億円超の予算投入がおこなわれております。この8年間で、合併前の旧町の年間予算にも匹敵する40億円を超える補助金の支出はやはり、突出したものであると考えます。 私はこの問題に対して市長、市議会ともに、結果責任を問われる問題として、20年度の議会審議でも幾度も指摘をし続けてきました。

私立大学の研究所の人件費や研究費として、毎年3億円もの市税の投入は、14万人自治体ではきわめて特殊な事です。

 しかし、改めて、今もなお、多くの市民の方々が、本来住民サービスを我慢させられてそうした巨費がいわば外部団体に投入されていることを、知らないでいる。
  私は、「多くの市民の方が、その巨額支出の実態を知らないでいる」からこれまでやってこれたのではないか。とても住民が納得しているとはいえないのではないか。と感じ続け、その説明を求めてきました。
 特に当初40億円という支援枠を市民に約束していたのに、途中で勝手に
60億円 にルールが変更され、市税投入が続いている。また、1000万円の助教授の人件費などということをベースとした人件費。慶応の高校生や予備校生がこの地で勉強する費用もなぜ鶴岡市の補助金の中でまかなわれているか、ということがきちんと説明されて、市民が納得しているのか。この事を分かり易く、受け手の視点できちんと伝えてきたのか。私は甚だ疑問であります。


また、補助金というのは、行政目的を果たすべく投入されているものであります。この間の議論の中で、行政目的として唯一明確化したものは、市が示した、この決算年である平成二〇年を目標として国に提出していた地域再生計画で、この地域へのバイオベンチャー 企業などへの誘致で計40事業者が創業し一〇〇〇人の新規雇用を創出するとうたった計画であります。

 今、その目標に対してどうかといえば、それに見合う成果は得られておりません。
また、この間 明らかになったことは、研究所そのものは非課税で、税収での還元はないということ。そして、この研究所への市税投入を起点に発生したバイオベンチャー企業については、私企業であるから、そこからの税収については市民にお知らせできない。ということであります。
さらにこの研究所で生まれた特許はすべて慶応大学に帰属されます。

先日、この20年度投じられた予算を含み、これまでのこの研究所の取り組みの内容について、合併した町村の方々には特に、はじめて、詳細を伝えるパンフレットが作成され、配布されたわけですが、

私だったら、「市民のみなさん、これまでみなさんに、この9年間にわたり学校建設の遅れなど、いろいろな市民サービスを我慢をしていただき、この研究所に、予算を毎年、3億円、4億円土地あわせると50億円以上、つかわせていただきました。そのおかげで、ここまでの研究成果があがりました。ありがとうございました。」と冒頭に書きます。

なぜ、こうした当然の情報の説明や共有ができないんでしょうか。

このプロジェクトは、富塚市長の手腕だからこそできえてきた。プロジェクトなのでしょう。しかし私は見方をかえれば、富塚市政の情報の不透明さ、そして行政評価など、今時の行政改革を進めないでやってきた。つまり、市民と行政との情報共有をするよりも、情報格差で情報をコントロールしてきた。そうした手法だったからこそ、できえてきたことの象徴的な実例ではないか。と思います。

 
この慶応先端研への補助金支出について、説明責任が未だ果たされていない。そして、この後に及んで、先般の私の最終質問の際、市長は、「議会からもちゃんと議決をいただいて決めたので、私が勝手にやったわけではありませんから」 と、あたかも自分の責任を回避して、市議会に責任を転嫁しました。

こうした姿勢は、甚だ無責任である と私は考えます。‘

 この慶応大先端研への補助金の問題は、市の情報公開、説明責任に欠ける姿勢、そしてこれだけ特殊なことをやっておきながら責任をとらない。そうした姿勢の象徴であると考えます。


開かれた、市政、住民参加などについてさらに、申し述べれば、今後10年間の目標と指針を定める総合計画の審議会がおこなわれ最終的に議決されたわけでありますが、公募の委員も一人も設けず、会議の委員からも「行政主導で、形骸化している」という声がある中、ほとんど改善もおこなわれないまま、おしすすめられ、パブリックコメントについてもおこなわれませんでした。
そのプロセスのあり方に大きな疑問をもつもの です。


20年度では10月に、私が平成13年度の議会で検討をうながした、大山下池、上池のラムサール条約の登録が実現しました。

この登録の発端には、40年以上にわたってその湿地や、高舘の自然の保護に携わりながら、そこに飛来する野鳥の貴重性を情報発信した自然保護団体の方々の努力が根本にあります。
 しかし、当局は、そのラムサール登録にもっとも貢献した市民の関係者を韓国でおこなわれた第10回のラムサール条約締約国会議への訪問団に結果的に加えなかった。私は、市長や部長が、その方々に出向いてお願いしてでも一緒にいくべきだっと思います。

韓国の会議でラムサール登録にかかわる、環境NGO、日本の担当者 の方々からは、なぜ、その保全の先導役で、本来韓国や世界の研究者と意見交換をすべきはずの方々が来ていないのか。と疑問をもたれていたときいていましたし、 登録湿地自治体の中には、専門的な知識に富むNGOのメンバーを関連のシンポジウムに参加させることを補助したり、そのNGOの活動に参加する子どもたちを関連事業に参加させ、自然保護活動を国際交流行わせたところがあります。    今後の施策の展開を図る上でも、もっとも施策の柱に携わるべき市民の方々がせっかくの国際的なネットワークを築くきっかけを拒まれてしまった。

結果としてせっかくの栄誉を 今後の市政のために最大限に活かす形の、韓国の大会への参加だったのか。疑問であり、甚だもったいないと考えます。

この事業の進め方は、せっかく、この地域にいる人材を最大限活かすことができていない。その象徴であると考えます。


●水道事業、地下水政策についてですが、もうじきこの一〇月二〇日広域水道事業への水源切り替えから、8年となりますが、そもそも過大な水需要予測が完全にはずれ、構造的な問題を抱えたままであります。その結果として水道料金の値上げ、水質の低下を来しております。
特に最近の夏には、基準値の半分を超えるトリハロメタンの値を示しておりますが、質を向上させようという施策はおこなわれておりません。また、水源が切り替わった市民生活の影響について、未だに住民の声に耳を傾ける姿勢がありません。
 更に、これまでの放棄した水源地周辺での砂利採取などを容認する姿勢をとり、先人から受け継いだ良質の地下水という、せっかくの自然資源を台無しにしようとしています。そうした水道事業の姿勢は、市民の多くの信頼をそこねていると考えます。

こうした姿勢は、本来のこの地域の資源を活かしていない象徴だと思います。


人口減少社会で財政も厳しい中で、持続可能な自治体運営をすすめるためには、行政と市民が真のパートナーシップを築かねば、この難局は越えることはできない と強く感じるものであります。市民の思いと行政の思いにズレがあるようでは、いけない。その修正をするために、これまで幾度となく行政評価システムなど の導入について提案をして参りましたが、一向に導入は見送られたままであります。また、情報共有、説明責任についての意識が未だに相当希薄であります。

私は、
 新しい時代に、鶴岡の本来の力を最大限活かし、地域住民の真の活力を生み出すには、今、こうした問題を抱え、閉塞感漂う市政を、序々に変えるのではなく、地域の経営方針と行政システムの根本を変えなけれならないと考えるに至りました。

以上、真に希望に満ちた持続可能な町、鶴岡を実現するための、大きな変革を決意し、反対討論といたします。
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私の討論の後、いくつかの議事進行がありました。

韓国の締結国会議へのNGOの参加が行かなかったことについて、疑義があがりましたが、僕は、「アプローチの問題」とそれに応えました。

関係者の方々からは、「せっかく韓国までいっても、登録のセレモニーだけでは意味がない。NGOの交流集会などにでてはじめて意味がある。ということで費用負担をともなう、韓国行きを断念したと私は聞いています。
 ラムサール条約登録湿地の先進地である、大崎市などでは、こうした事に知識も行動も、優れているNGO の言い分をきちんと受け止め、そのNGOに参画している子どもたちを、国際的なラムサールのフォーラムに参加させています。

要するに、行政側にまず、この登録の発端をつくりだしてくれた自然保護団体に敬意と感謝の念があり、そうした真意を受け取る懐と、それを活かすことを根本の柱に据えた真摯なアプローチがあれば、こうした「もったいない」ことになってはいなかったのでは。という意味で、とりあげさせていただきました。
    


こうした事は、「地下水資源の保全に、昭和53年から55年までずっとこの地下水調査に携わってこられた元山形大学教授が、施策に全くかかわれていない。その理由は、私たちの水問題の住民投票署名運動に協力したから」というように、これまでの市政下で、おこなわれてきました。

私は、こうした、「せっかくいいものがあっても、活かされない」「せっかくいい人材がいても、活かされない」
そうしたことを非常にもったいないと思うし、こうしたことこそ、変えなくてはならない。と考えております。
by stern888 | 2009-09-18 18:03 | バイオへの公共投資を問う
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