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草島進一の「持続可能な鶴岡」日記

kusajima.exblog.jp

最上小国川 赤倉温泉地域の治水方策への考察。

赤倉温泉地域の治水について
山形県議会議員 草島進一

小国川の治水が必要な箇所である赤倉温泉地域の河川縦断図をみて、実に不自然だと桑原英夫 元山形大学教授(水文学)は指摘した。(図1)
固定堰や床止めによって、不自然に土砂が堆積している。という指摘である。
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県が温泉旅館「あべ旅館」の温泉の維持のためにつくったと思料される
堰、床止めによって、土砂が堆積し河床が上昇している。洪水被害の場所は、この河床上昇付近に集中している。(図2)
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つまり、県が自らつくった河川構造物により、川を危険にしている。流域住民の証言によれば、「昔はもっと川底が深く、ボートを浮かべたり、親子で泳ぐことができた。」とのことだった。更に、旅館のお湯のために川に堰をつくるのは常態化していたが、以前はその堰は木造で洪水のたびに流されていた。堰をコンクリートでつくったために、土砂堆積と河床上昇をともない水害が発生するようになった。との証言もある(高島氏)


山形県作成の縦断図でも大熊孝新潟大学教授は「36.7kmあたりから37.3kmあたりまで、河床が高くなっている。これは36.7kmあたりの床止めの影響だと思います。この床止めを取れば、河床が平滑化して、洪水位も下がるのではないかと思います。」と指摘している。
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 双方の研究者の指摘から、県がつくった構造物(堰、床止め)(図4)で河床上昇させていることは明らかだとわかった。
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(県がつくったと認めた堰から上部にかけて土砂堆積している。)

 これを除去することで河床を下げることができ、河道の流下能力を下げることができる。

県は、「河道掘削すると温泉の湯脈に影響を与えるので、河道掘削できない」と主張し続けてきた。しかし、それは県が温泉調査を依頼した川辺教授により完全に否定された。川辺教授は、そもそも県の調査は「温泉調査」が目的で河床掘削できるか否かが目的ではなかった。調査員3名が確認したのは温泉と川の水位が関連しているということのみで、工事期間の補償を含めた影響を除去する対策の検討は十分におこなわれなかった。そして、「『工事が温泉宿の湯船のお湯に影響を与える』から河川改修はできない」は、単に県がダムを優先するために創作した推論をおこなったものであることが論証された。
 河川を掘削しても,対策をきちんととれば問題ないことや、現在も河川水と温泉水が混合して湯船に流れ込んでいるシステムで現在の温泉宿の湯船に流れ込むお湯は成り立っていること。
 さらに、現状では河川の増水や渇水で温泉の利用ができなくなる状態であるが、河川掘削工事に伴ってより効率的な混合システムをつくることによって安定的にお湯を供給できるようになることや、更に、河床掘削による河川改修は温泉宿のお湯の確保の点でも有利になることを、川辺教授は論証した。
 
● 治水方策として優先されるべきこと。
1)現状で水害要因をつくりだしていると思料される落差工、床止めを除去し、河床掘削すること。
2)一軒の旅館(阿部旅館)について、湯量を維持する工作をおこない、影響がないように配慮し工事すること。
3)県は、河川水と関係のない「内水被害」で浸水していた箇所を殊更に強調してダム建設の理由に利用していた傾向があるが、この解消策は河床掘削で河床を下げることである。
4)温泉排水などの垂れ流しを止めること。

等をおこない、清流に面した美しい温泉街を再生しつつおこなう「まちづくり治水」こそ有効な治水対策である。

小国川流域で人口が密集する瀨見温泉地域、月館地域は、1/50確率の治水が完成している。赤倉温泉地域でこうした河川改修に伴う治水対策をおこなうことによって、人命を守る治水を叶えることができる。

河川改修を下流からおこなわねばならないので、河川改修で72年かかると検証の場で論じられていたが、通常の河川整備も暫定確率を設けて段階的に整備するのが通常である。「検証」の場において、ダムが有利と言いたいがために、全ての河道(つまり農地など)についても人家と同様の1/50確率の治水対策を下流からおこない、堤防内から水が逃がさないのが当然というような主張がおこなわれていたが、総合治水管理の流れからいえば一昔前の治水対策である。ゲリラ豪雨が広範囲で降る傾向がある近年、(今年9月の和歌山の豪雨災害がよい事例)、遊水池や田んぼダムなど、流域の氾濫原対策を加味するなどの方策を考慮に入れるべきである。
by stern888 | 2011-12-02 08:15 |
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