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草島進一の「持続可能な鶴岡」日記

kusajima.exblog.jp

生物多様性ーデビッドブラウアー氏、山下弘文氏の遺言を受け止めて- 1998

本日は雨の中、八文字屋の前に立つ。情報公開が進まない鶴岡市政の問題。公共投資のあり方。合併特例債を「あれかこれかの視点で考える」など、諸々訴えました。7時40分から8時50分ぐらいまで。 

生物多様性会議間近ということもあり、改めてwaterwatchnetwork の私たちがFOEらと一緒に1998年に主催した「地球のヒーロートーク」をUSTREAMにアップデートしました。

これは、米国の環境保護運動の父といわれるデビッドブラウアー氏がブループラネット賞受賞のために来日した際、日米のNGOを集めての集会を代々木の国際会議場でおこなったものです。その年、僕がちょうど米国NPOにインターンしていた際にミッションをいただいて、FOEのランディヘルテン氏や、ASEEDの羽仁カンタ氏、映像のBamboo氏、音楽家の岡野弘幹氏、デザイナーの善用寺氏と力を合わせなんとかかんとか実現した国際会議でした。
 自然生態系の破壊、生物多様性の問題について全く意識のなかった1930年代の米国で、ダムの問題をたった一人の運動からはじめ、グランキャニオンダム建設を止め、米国の国立公園制度、世界遺産制度のきっかけをつくったデビッドブラウアー氏。又、諫早湾干潟の問題で、これもたった一人で真正面から問題を指摘し、運動をつくりあげていった山下弘文氏。彼らの姿勢と、そうした行動を興す原点となった少年時代の教師との出会いについてなどが語られています。
    ぜひご覧下さい。
http://www.ustream.tv/recorded/10002745

二人とも、故人となられましたが、天国から私たちの行動を見守ってくれていると思います。
10年前の映像ですが、今とらえても実に重要なメッセージを頂いていると思います。

なお、今、この映像のデビッド氏の発言などを和訳をし、もっとよりわかりやすい形で提供できたらと考えております。お手伝い頂ける方はいらっしゃいませんでしょうか。

又、当時、デビッドブラウアー氏は、この来日の際のブループラネット賞受賞記念の講演で「生態系修復の経済」について言及されています。
この際に地球上の生命の自然法則としてNatural Step ナチュラルステップ について触れ、その意義を諭してくれています。
ちょっと当時の講演から一部を引用してお伝えしたいと思います。

ーー以下引用 1998ブループラネット賞受賞記念講演より  旭硝子財団。

地球環境を考慮したビジネスの進化-「修復型経済」への積極的な参加を


「新しい経済」における環境NGO の役割は、時代と共に変わるでしょうが、消費者と企業に情報を提供
するという基本的な役割は今後とも続くでしょう。多くの企業はいまなお、インターフェース社や三菱電
機、その他先進的企業の画期的方針から、はるかに遅れた地点にいるのです。

企業が、エコロジーの知恵を十分理解し企業活動に活かすならば、環境原則に厳しいNGOの人々が、企
業にとって自分たちの同盟者であるだけでなく、利益を生む機会をたくさん持っている人たちであること
が分かるでしょう。

NGO の人たちもまた、私たちの社会をもう一度人々の要求を充足させる場にするために、企業と共同で
取り組むという新しい役割を持つことになるでしょう。私たちが浪費型のライフスタイルをやめるべきだ
とすると、その空白を埋めるものは何なのでしょうか。もし皆さんに、あなたの人生で一番大切なものを
1つ挙げて下さいと言ったら、私たちの人生における喜びと充足感のもとになっている親密な関係を共有
している友達と家族、と答える人が多いと思います。私たちは、幸福の最大の源であるこのことに、どう
してエネルギーを注がないのでしょうか。

私たちが自慢すべきは、抽象的な経済目標などでなく、現実の心温かい関係を育むことではないでしょうか。「修復型経済(Restorative Economy)」に移行するとき、人間の心の目標と経済目標は同じひとつのものになります。私は環境保全の分野で様々な成功にかかわってきましたが、そこから得ることができた喜びは、友達や子供たち、孫、そして55 年連れ添ったわが妻から受けてきた充実感に比ぶべくもありません。これこそ私たちに必要な“成長”――愛と連帯から生まれる“成長”なのです。これはまた、関係するすべての人達の美しさを本質的に増幅する成長のあり方です。

私の86 年間の人生経験、「ナチュラル・ステップ」とその他の地球上の生命の自然法則に照らし合わせるとき、こうした人間的成長に限界はないことがよく分かるのです。

環境問題が示している地球の危機は、いまこそ階級、人種、国籍、年齢、性別を乗り越えて、人類のグ
ローバルなコミュニティとして私たちが行動する好機であることを示しています。私たちは全員が1つの
宇宙船地球号に乗っているのであり、この宇宙船は乗り換えも利かなければ、停車駅もなく、決まった行
く先もありません。そこに乗っている人は乗客ではなく、全員が乗員なのです。

私たちは地球の諸問題解決のために協力し合うとしても、すべてのことに同じ意見を持つ必要はありま
せん。意見の異なる人々を支配する必要も軽んじる必要もなく、異論を唱え、あるいはまったく違った見
解を共有するような能力を培っていかねばなりません。イノベーションと多様性のためには、賛否両論が
必要です。しかし協同と安定のためには、相互に尊敬し合わなければなりません。

生態系が、例えば草原から熱帯雨林へと発展したように、人間の社会も複雑性と相互依存の度を深めて
行くでしょう。熱帯雨林で生きるためには、競争より協力の方が大切です。競争がルールとなり得るのは、
より単純な生態系の場合です。今日の社会や組織に広がる支配や階級制といった原始的とも言える社会構
造に、今後もますます多くの資源を投入し続けるとすれば、明るい未来への進路も閉ざされてしまいます。
ビジネスと地球と人間の精神のためのCPRを実践するには、謙虚であることを学ばなければなりません。
私たち人間は、地球上の生命体としてはむしろ新参者です。人間は進化の頂点にいるのでしょうか。それ
とも友人のバーナデット・コザルツがかつて言ったように、「人間は地球上で一番若い種に違いない。なぜ
なら人間を除くすべてのものは、何をどうすべきか知っているらしいから。人間が地球上に存在するのは、
学ぶためであって、教えるためではない」のでしょうか。

私たちは自然から学ぶときでも、人間の精神を信頼しなければなりません。そして人間の精神を最も良
く象徴しているのが、日本です。島国という条件にある日本は、歴史的に他国と疎遠であり、また国土に
も制約があったことが刺激となり、かえって多くのイノベーションを生んできました。神道の伝統に基づ
いて、そして本州という意味であれ母なる地球の島という意味であれ、島国という地理的限界から生まれ
る文化意識をてこにして、私は日本がアメリカよりも速やかにエコロジカルな良心を再発見してくれるの
ではないかと、期待しています。

ーーーーーー引用以上 

この期待に応えて、僕らも信念と行動力をもって動き出さなくてはなりません。
by stern888 | 2010-10-05 11:14
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