12月の文教公安委員会での質疑中、教育部門の質疑について記載します。
「いじめ予防策」としての社会性と情動の教育についての認識を尋ねました。
他、鶴岡のこころの医療センターの開設とともに設置される分教室について
発達障害などの5歳児検診の有効性について
等、尋ねました。
草島
時間も限られておりますので、次教育のところまいります。
まず特別支援教育について、こころの医療センターの分教室について、子供ストレス病連というのが今回こころの医療センターにつくということもあって、そこに入院する児童生徒に義務教育を行う院内学級というのを県立の鶴岡養護学校の分教室として整備することになってます。規模ですとか基本的な方針、またその県教育委員会としての評価、また位置づけについてお伺いしたいと思います。
畠山義務教育課特別支援教育室長
県立こころの医療センター分教室は、鶴岡市の茅原に建設予定のこころの医療センターの病棟の中に・・・し、平成27年度の4月に開校予定でございます。県立こころの医療センターに精神疾患を患って入院している義務教育段階の年齢の患者を対象としまして、義務教育を行うことを目的としてます。
このことについての評価ということでございますけども、なんといいましても学習空白、入院による学習空白を設けずに、義務教育、学習を保証していくことができるということです。2つめは入院中もしっかりと教育を行うことによって、ゼイテキコ?前にテキ?のあった小中学生の教育についてスムーズに行うことができるようになるであろうということ。それから病院の職員の方のみならず、学校の教職員との温かな人との関わりなどを通してこころの成長発達を促すことができるものであろうということ。
それから4つめといたしまして、どのようなときでもしっかりと教育を受けることができたということにしたいのでね、本人自身の安心や自信につながって、子供の人生に大きく・・・というようなことを考えております。
位置づけといたしましては、お話いただいたとおり、県立鶴岡養護学校の分教室という形で設置しております。対象とする障害の種類は病弱という形になります。現在想定しております分教育の概要でございますけども、まず小学部と中学部をおきます。そして最大の・・・する人数は13名、学級数としては3学級を想定しているところでございます。
教育課程といたしましては、小学校、中学校の通常の教育に準ずるもの、つまりほぼ同じものでありまして、学年相応の教科書を使った教科学習が中心となります。主要・・・は・・・があり、・・ます(聞き取り不明)。
対象となる児童受け入れ範囲は県内全域と考えておりますけども、近隣の県からも入院する可能性があると伺っております。
草島
わかりました。有意義な整備だと思いますので、しっかり詰めていただきたいと思います。特別支援教育についてもう一点、先般この委員会で視察をした、早期支援連携事業というのを視察させていただきました。子供の成長記録ですとか生活の様子ですとか、指導内容に関するあらゆる情報を記録して必要に応じて関係機関が共有できる相談支援ファイルというのを幼稚園保育園で作って、それを小学校に受け渡していくという取り組み。
また5歳児の健診というのが、非常に効果をあげているということをお伺いしました。とくに5歳児の健診について、どのように教育長として評価されているかお伺いしたいと思います。
畠山室長
5歳児の健康診断、いわゆる5歳児健診につきましては基本的に健康・・に関わることでございますけども、把握している範囲で申し上げます。
まず本県における実施状況ですけども、幼児期における健診は国によって定められており、一歳児半、三歳児健診、そして六歳のときに行われる就学児健診があります。5歳児健診は国が定められているものに超えて実施という健診でございますので、健診の主体は市町村になります。本県では西川町、舟形町、金山町で実施していることでございます。
内容について伺いますとどの町でもですね、臨床心理士、あるいは医師などが関わって実施しております。健康診断、小児科の診察、子育て相談等を行っているようです。
教育の立場から申し上げる健診のメリットですが、特別支援教育・・・・・・・・・・・・・・・(聞き取り不明)、そこで伝わってることでございますけども
まず一つ目にお子さんの障害について保護者の・・・・・(聞き取り不明)、2つめに早期の気づきによって就学までの支援を、六歳のときに行われる就学児健診よりも一年早く・・・・・・・・・・・・できるということ、それから早期からの対応により・・・・・・・・・・・・就学先の判断決定・・・・があげられております。本年としての見通しというか考え方になりますけども、平成23年度の時点で、全国で実施市町村が全体の市町村の一割程度というような資料もございます。本県における健診・・・健康福祉部・・・・・将来的な研究課題だ・・・・。
実施主体が市町村であること、また市町村ごとに多様な取り組みを行っており、また市町村ごとに様々な課題があると考えられるため、健診を・・ことの有効性必要性、それから・・・どのような形が考えられるかというのは、慎重に考えて・・・というふうに考えてます。
草島
非常に合理的だなと思ったのと、受け入れる学校側としても非常にいいんじゃないかなと思いました。ぜひ、全県に広げていっていい方策なんじゃないかというふうに思うんですが、その辺いかがですか?研究ということですか。次長いかがですか?
次長
今・・・・・西川町、舟形町、金山町ってのは、早期の連携した形で進めているってことで、市町村の判断で進めています。この課題は・・・の方でも教育長の方でも早期の・・小中高の一環の特別支援教育っていうのは非常に大事なことであるということで、今後の大きな課題にはしてます。ただなにせ、例えばさきほど申し上げたように6歳児就学児健診の場合、本来なら市町村で行うんですけど、かなりの数がありますので現時点では学校が行っている人がかなり多いわけですね。例えば山形・・・・ですね。そんなこともあったときにまたこれに5歳児健診が加わったときに市町村の体制・負担というものがかなりのものになるんだなということも予想されますので、さきほども室長が申し上げたとおり、十分研究しながらどういう形で進めていくことが可能なのか十分検討しながら、実施している市町村の成果等も聞きながら進めていきたいなと考えております。
草島
ありがとうございます。是非検討していただきたいと思います。
次にいじめ対策についてお伺いします。今日お配りした資料が関連資料になりますので是非ご覧いただければと思います。文科省が19万8100件、そして県内いじめ件数が576件ということでありました。先日の特別委員会でも新たに条例を作る方針、総合的な対策のための連絡協議会、また調査検討のための第3者機関、また・・から再調整する組織を作るということ、また並行して有識者会議を設けて基本方針の策定を行うということをお伺いしております。積極的に取り組んでいる姿勢が現れていて、条例を作るなど非常に評価するものですけど、私はこの、法律のいじめの防止というところだとか、いろんな機関の設置はわりと対処方策という仕組みが重視するのかなという感じがしてて、予防方策というものをしっかりと充実させていかなきゃいけないんじゃないかと考えております。
この予防方策についてどのように考えておられるかお伺いしたいんですが、時間もないので提言も含めて聞いていきたいと思うんですが、先日の視察の際に「めごたま」でセカンドステップのプログラムを実践されている先生からお伺いしたり、山形大学の宮崎先生にお伺いして、ソーシャルスキルというものですね、相互の理解ですとか問題の解決、また怒りの扱いというものを学ぶ、学問的にいうと社会性と情動の学習というものだそうなんですけど、これがやはり大事なんじゃないかと、これはやはり先生方がしっかり身につけて子供達にきちっと体で学んでいただくということが必要なんじゃないかということを感じております。このソーシャルスキルのトレーニングについては、飯豊町町立の添川小学校で取り組んだという実践の報告もありますし、また品川区では37校ですか、全校で社会性と情動の学習の「セカンドステップ」というプログラムを実践してるということで、年間10時間位のプログラムをカリキュラムにいれて実践してるということなんですけども、まずこうした社会性と情動の学習というものへの認識ですとかその必要性・・このいじめを未然に防止していくとか予防に非常に役に立つものなんじゃないかと受け止めているんですが、どのような認識でおられるか、また県内の実践例など、なんか180人くらいの県内の先生が学んでいらっしゃるとお伺いしているんですけど、そこについての認識などをお伺いしたいと思います。
・・・義務教育課長
今ご紹介のありました社会性と情動の学習という点でございますけど、子供同士の相互の理解であるとか、子供同士の問題の解決、あるいは子供の怒りを抑えていくと、そういうようなところは効果があるのかなというふうにお話を聞いて思ったところであります。
品川の・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(聞き取り不明)。
本件でも、委員からありましたようにこのプログラムを実践している先生方いらっしゃるかと思いますけども、なかなか時間的な扱いとしては、例えば総合的な学習の時間であるとか、あるいは・・・・・とか、そういう中で時間を見つけてこのプログラムをやって効果をあげているというお話を聞いたことがありますけども、教材であるとか、新たに時間を設定するというようなこともありますので、これを普及していくという点については・・・していかなくてはと思っているところでございますが、・・・・・・・・・・(不明)
草島
資料をみていただくと、このグラフの左側が非実践校で、(右側?が)実践校なんですけど、2006年からはじまって2008年ということなんですが、1年後はなかなか効果がでないんですけど、2008年2月に反社会的行動・・が確実に下がっているということで、また資料など共有していきたいと思うんですが、理想系でいうと年間10時間位のプログラムで、1年生2年生に導入するというのがまず一つ、あとはモデル校を指定して導入するというのが一つ、あとは校長先生に向けてぜひこの社会性と情動の学習の意義だとか方策について伝えるというのがもう一つ、あと教育センターのプログラムとしてこのいくつかを採用して出前講座ですとか、独自のカリキュラムを作成するなど、この社会性と情動の学習の研究を充実させるというということが考えうるのかなと思うんですが、以前あの「C改革」、コミュニケーション改革というものを実践されておられたと思うんです。そこの主旨が「社会性と情動」でもあると思ってるんですが、今後のいじめの対策の基本方針みたいなところにもこのソーシャルスキルのトレーニングですとか、こういった社会性と情動の学習をしっかり進めていくということを学校教育でも取り組んでいただきたいと私は思うんですが、次長いかがでしょうか?
あわせて社会教育、生涯学習の面でもこうしたことを取り組んでいくことが重要なんじゃないかと思っています。県民青年の家などでひきこもりの対策としてですね、引きこもりの事業に取り組むNPOと一緒に一つの、1泊しながらの研修だとかいろいろされているようですけど、こういった研修を一つは学校教育の場で、そしてまた社会教育、生涯学習の場としてもこのソーシャルスキルというか、関係性を学んでいく、それも道徳ですと・・・道徳との違いは、実際に行動できるかどうかというところが違うと伺っております。こうしちゃいけないとわかったりというのは道徳でもできるのかもしれませんが、実際にだめだということを行動にきちっとうつしていく、ダメなことをとめるとかそういうことがやはり今求められているものなんじゃないかと思うんですが、ぜひご見解をお伺いしたい。と思います。
中井 教育次長
委員おっしゃるようにですね、コミュニケーション改革のそもそものスタートはですね、前の石坂公成委員長が、いわゆる初等教育コミュニケーションていうのが大事だということで、いわゆる幼児期から小学校の過程で、もともと先生もいじめってことに対して大きな課題を持っていたので、アメリカでは・・・・・そういう人間関係を教えるんだと、そういうことからはじまって山形でもコミュニケーション改革というんで、その取り組みというのは、今までもコミュニケーションを大事にした教育というのは・・・・中で進めて・・でした。とくに幼児期から小学校の低学年ですね、非常に大事だと私も考えています。同時にこのセカンドステップも幼児期から小学校の・・・・・・・・・・、ただアメリカの様々な・・・・研究会からきてるものですけど、この他にもステップとか、親教育のステップとかファーストステップとか、いろんな研究会組織があって、資格とるためにはある程度のお金が必要なんです。そして教材も買わなくちゃならない、正式にいうとその教材を人に貸しちゃだめなんです。というような制限もあって、非常に学校教育の中に取り入れていくにはやはり自治体等が力を入れて、品川のようにやっていかないとなかなかできない、また学校の校長先生とか予算の中でやっていかないといけない。やれば効果があるというのはアメリカでも実地してますし、私の場合学校でも低学年でやっていた経緯もありますので、効果はあるんですけど根付くにはやはりまだまだあるし、いろんな研究会のある中で、これをなぜ選ぶかというのは非常に難しいところありまして、非常にいいことはわかってますけど、県としてはこういうことがあるよということは進めながら各自治体、学校長、教員の判断に任せながら先生の範囲内の・・・・中で進めていく分に関しては非常にいいことだと認識してます。
草島
発達障害の子供とインクルーシブ教育の中で発達障害の子供が発達障害を感じさせないような社会を作っていく、その障害のことも考えてやはり社会自体がワンステップあがっていかないといけない、ソーシャルスキルを身につけていかないといけないということが問われているのかなと思うんです。先生おっしゃるようにですね、さきほどのセカンドステップというのは一つの団体でやっているものなんですけど、例えば広島大の教育学ですとか、山大にもそういう関係の先生いらっしゃいますけど、いろんな地域地域で研究がはじまっていて、既存のものを導入するというのも一つでしょうし、自治体等の協力のもとでやれることと思いますし、あとはライオンズクラブがやっているライオンズクエストというものがあったりとか、80位のプログラムがあると伺っているんですよ。全体総称してこの社会性と情動の学習というそうなんですが、その契機をですね、ぜひ教育委員会サイドでも充実させるような取り組みをやってはいかがかと。やはり体系的に2年みたいな、そういうプログラムを組んでこそ効果があるということですので、ぜひ取り組んでやれたらと思うんですが、お願いしたいと思います。
草島
社会教育の面でもそういうこと大事だと思うんですよ、その辺はいかがでしょうか?
佐藤文化財生涯学習課生涯学習振興室長
いじめ防止のために人と関わる力、コミュニケーション・・学校教育のみならず、広く社会教育でも力を入れていかなきゃいけないという認識はあります。今現在、学校地域支援本部、これは学校の中に地域の大人の人が入っていただいてですね、これまで学校といえば教師対子供達という上下関係だったわけですけども、地域の大人の人が入っていろんな学校の教育活動を手伝っていただくことによって、いわば斜めの関係、それまでなかったようなそういった人間関係も築いていけるような、そういった取り組みをやっております。今現在、学校からの声を聞きますと、学校を支援する目的ではじめた事業なんですけど、福祉的な要素として子供達の人間として関わる力が目に見えて育成されてきたと、そういった声が校長先生からも聞こえてきています。私たちもそういったところを力をいれながら普及させながら進めていきたいと考えています。また放課後子供教室という取り組みもございます。授業が終わってから、空き教室とか地区の公民館をお借りして、地域のいろんな方々から体験活動とか学習活動を指導していく。そういった中で様々な人間関係を育んでいく、また同じ社会教育でいうと、地区の拠点である公民館あたりにですね、子供達が入っていって、そこでいろんな人間関係を形成していくという取り組み、これも進めていきたいと考えております。例えば今現在ある地区でやっておりますのは、公民館に子供達が集団で寝泊りして、寝食をともにして、地区の人たちが面倒をみていく、で通学する。そこで異年齢のコミュニケーションとか地区の人たちのコミュニケーション、そういった体験的に関わる力を進めるような事業をやっておりますけれども、今委員からございましたとおりですね、そういった中でスキル的なことを指導していく必要があると私は考えております。いろいろ勉強しながらこの事業の中でも、ぜひ取り組んでいきたいなと考えております。
草島
今このいじめ対策、全県として取り組んでいるわけです。私やはりこの予防のところ、ここがやはり重要な視点なんじゃないかと思っています。なので、基本方針これから策定されるそうなんですが、ぜひ対処療法に終わらない、ワクチンをきちっと打つみたいなことをですね、しっかりと教育行政として行っていただきたいと思います。
最後に教育長のコメントいただければ。
教育長
いじめに関しましては、冒頭にお話しましたように本県は認知件数は少ないということですけれども、決してそのことは全て把握してるとは思いませんので、・・・・・という意識で危機感をもって対処していく必要がある。一番大切なのは今室長お話の通り、人の心は・・・・ですね、またそういったあらゆることをどう対応していけるかという力をつけていくということが大切でありますので、人格形成をどうやっていくか、幼児の段階からはじまるわけであります。家庭、学校、地域それぞれの関わる人たちが真剣に取り組んでいく必要がございますので、そういったときにいろんな方法があるんだろうというふうに思っております。そのへんのソーシャルスキルをですね、身に着けるということは極めて大事なことでありますので、どういった方法があって、我々としてどういった形で取り組んでいけるか、その辺は様々な方法があるかと思いますので、十分研究して参りたいと思っております。
草島
ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。