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草島進一の「持続可能な鶴岡」日記

kusajima.exblog.jp

2012年 元旦 持続可能な社会への転換の元年に。

謹賀新年

大晦日からの年越しは、法政大 五十嵐敬喜先生 と京都大 鎌田東二先生を羽黒山松例祭にご案内し、明け方の歳旦祭まで羽黒山で過ごしました。お二人とも15年来ご指導を受け、大変お世話になっている恩師であります。五十嵐先生は、長良川河口堰の運動で出会い、法政大のゼミに通わせて頂いてからの恩師です。昨年は菅政権の内閣官房参与をおつとめになり、公共事業問題をはじめ、被災地支援策、又、世界遺産政策などの分野で活躍されていらっしゃいました。
 又鎌田東二先生は神戸震災以来、大変99年から8年にわたりおこなった月山炎の祭りには毎年御参画頂きました。先生は京都大学こころの未来研究センター教授として、3.11以来の東北の人間の復興を願い、現地を歩き、現代陶芸家 近藤高弘先生と「こころの器プロジェクト」や虎舞の復活などのプロジェクトを展開されている等、様々な分野でご尽力されている先生であります。
 お二人と祭を体感しながら、今の政治、経済、今後の日本社会をどうするか、等様々な言葉を交わすとても貴重な時間を年頭から頂きました。
 
 
2011年は、3月に東日本大震災が起こりました。その後、神戸での経験を活かすべく名取、石巻などへの被災地支援を行いつつの選挙選でした。
そして、4月10日、多くの鶴岡市民の皆様に支えられての県議選での勝利。そして今があります。まずはここまで支えて下さった皆様に改めて感謝を申し上げたいと思います。
 
 今、現地に通いながらの東日本大震災からの復興支援策、ボランティアやNPO政策、そして、長良川河口堰問題、以来25年ほど取り組み続けてきたダム問題。エネルギーシフトの問題、地下水資源の保全と利活用。そして農林水産業の再生、などを柱として、山形県議会議員として勉強と政策立案、提案、時に、ダム問題については真相解明のための追求の日々であります。

 9月定例会では初めての一般質問をおこなわせていただきました。そこでの中心軸として提言させていただいたのが、「3.11を、日本社会を持続不可能な社会から、持続可能な社会へ変えていくターニングポイントにする」ことです。

持続可能な社会への転換の鍵として当然ながら脱原発と脱ダムは必須です。今後の急激な人口減少を考えれば、これまでの公共事業の発想は先ず変えねばなりません。旧来の古い発想の政治のまま、では断じて許されないと考えます。
 3.11で教訓にすべきは、まずは原子力発電所事故で浮き彫りになった「原子力ムラ」なる政治、官僚、業界、御用学者、時に報道機関までもがグルになって情報操作をし続ける、日本にはびこる病気をなんとしても打破しなくてはならないということです。「ムラ」構造は、原子力政策のみならず、ダムなどの巨大公共事業、薬品業界等、様々なところに存在しています。ムラ構造は、科学的真実をねじ曲げ、利権で政治を動かします。
 菅直人総理は、「浜岡原発」を止めたために原子力ムラに屈し退任させられました。

年末にかけて、八ッ場ダム問題がクローズアップされましたが、まさに八ッ場ダム問題はその「河川ムラ」構造そのものによって真実がねじ曲げられている。そうした問題です。治水面でも利水面でもどこにも大義がない事が多くの科学者によって証明されています。

山形県内の最上小国川ダムについても全く同様です。昨年11月27日の検証の会で治水対策、温泉湯脈、また、「穴あきダムなら環境にやさしい」についての反論が科学者によって論証されました。

又、9月の質問の際、小国川の清流というありのままの自然がどのぐらいの経済をもたらしているのかを、全国の研究者の方々を捜し、近畿大の有路先生の研究グループに実際に現地調査と検証をしていただきました。結果、アユ釣りに来る方々だけとっても年間22億円の経済効果を流域にもたらしているということが試算されたのです。これこそ、「自然資本の経済」です。

 農林水産業の6次産業化といったところが強調される今、貴重な内水面漁業の資源として、又年間3万人もの釣り客をひきつけているアユは観光面でも山形の宝物であると私は調査をしながら実感をしました。

考えてみれば2万本もの清流があった日本にもう、清流といえる大河は数本しか残っていません。
子ども達が喜んで泳げ、ざっこしめができる川は山形ではこの小国川しかありません。この価値はお金に置き換えられない価値だと私は考えています。


 今、この時代に、こうした山形の宝を失って良いのか。改めて皆さんに問い直したいと思います。

さて、今年、私は先ずはエネシフ(エネルギーシフト)とカワシフ(カワシフト=河川政策の転換)を念頭に行動を興していきたいと思います。

卒原発して再生可能エネルギーに転換しながら、地域に新しいインフラと同時に雇用や経済をつくっていく、そうしたエネルギーシフトを叶える仕組み作り。
 そして 脱ダム。環境要件が組まれた改正河川法の趣旨にもとづく、真に生命と財産を守るための治水を理念の転換とともに方策の転換を促していきたいと考えています。

 このことが、山形を、そして日本を持続可能にする一歩であると考えます。

持続可能な社会については、ナチュラルステップの定義としてのシステム条件を羅針盤とします。

1)地殻から掘り出した物質の濃度が増え続けない(化石燃料からの脱却)
2)人間が創り出した物質の濃度が増え続けない(科学物質拡散の抑制_
3)自然が物理的に劣化しない(生物多様性を守る)
4)人々が満たそうとする基本的なニーズを妨げない

この条件を満たす「持続可能な社会」を日本の文化と照らして如何に構築するか。

今年2月には、ナチュラルステップを世界に伝えているトルビョーンラーティ氏が来日します。このコンセプトを説き、様々な分野でのコンセンサスドキュメントづくり等、じっくりと共有していくことにも取り組んでいきたいと思いますし、政治の判断基準を、利権を越えて「持続可能か否か」という判断ができるような政治を私はつくっていきたいと考えています。

もう一つ。

先生方からも促されましたが、今年早い内に、これまでの活動やナチュラルステップ、ダム問題などに関する私の思いについて一度まとめてみたいと考えています。

今年を日本を真に持続可能な社会に向かうための元年にしたい。

そのための行動を興すことをお誓い申し上げ、念頭のご挨拶とします。

どうぞ今年も何卒よろしくお願い申し上げます。

2012.1.1

2012年 元旦 持続可能な社会への転換の元年に。_a0036384_0323587.jpg


2012.1.1出羽三山神社参篭所にて 五十嵐敬喜先生 鎌田東二先生と。



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ナチュラルステップ創設者、カールヘンリクロベール氏と。08年 ヘルシンボリ sweden
by stern888 | 2012-01-01 23:06 | 持続可能な社会
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